相続税は次の流れで計算します。これを法定相続分課税方式といいます。
税額の計算方法相続税の計算は次の3つの段階にわけて行うと考えると理解しやすいと思います。
全体の相続税額を計算したあとで、各人に振分けると考えるといいでしょう。
遺産総額から、債務・葬式費用と基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を控除して課税遺産総額を求めます。 ※正味の遺産額が、基礎控除額よりも小さい場合には相続税はかかりません。
◆各人ごとの課税価格(A)
=取得財産額-(その者の負担する被相続人の債務+公租公課+葬式費用)
◆全員の課税価格の合計額(B)
=相続人全員の(A)の合計額
◆課税遺産総額(C)
=(全員の課税価格の合計額(B)-遺産に係る基礎控除)
これをいったん法定相続分で相続したものとして各々の相続税額を計算し、これを合計して相続税の総額を求めます。
◆ 相続税の総額
={(C)×各法定相続人の法定相続分×税率}の合計
これを実際の相続分で按分したのち、税額控除等の適用をしてそれぞれの相続税額を計算します。
◆ 各人の納付税額
=相続税の総額×各人の課税価格(A)÷(B)+相続税額の加算-配偶者、未成年者等の税額控除
以下の条件に該当する場合にはステップ3で、それぞれの条件に従って相続税額に加算、控除を行います。
財産を取得した人が一親等の親族(代襲相続人を含む)や配偶者以外の場合には各人の相続税額の20%を加算した金額となります。
これを2割加算といい、被相続人の孫養子も2割加算の対象となります。
死亡前3年以内に贈与を受けたり、相続時精算課税を利用して贈与を受けた場合には、相続財産に贈与額を加算されるのと同時に、既に支払った贈与税を控除します。
相続人が配偶者の場合は配偶者控除を行います。
10年以内に相次いで相続があった場合には、相次相続控除を行います。
その他の、未成年者控除や障害者控除があります。