経営承継策定のため、まずは自社を知ることが重要となります。現状をしっかり認識し、分析することから始めましょう。
そのうえで、将来の方向性を決め、承継にあたってなるべく具体的に内容を詰め、アクションプランに落とし込むことが大切です。
専門知識が必要な分野は税理士等の専門家に相談しましょう。
現状分析が終わったら、いよいよ経営承継の計画を作ることになります。
経営承継計画は経営計画の一部ですので、事業承継のみを考えるのではなく、経営全体の将来像とリンクさせて考える必要があります。
経営には羅針盤が必要といわれますが、その羅針盤が経営計画書となります。
経営計画書には、10年程度の計画となる長期経営計画、3~5年の計画となる中期経営計画、1年の計画短期利益計画のような種類があります。
経営承継は短時間で結果を出すものではなく、ある程度の期間、最低でも3年以上の時間をかけてじっくりと行うものですので、中期または長期の計画といえるでしょう。 そして、現経営者や後継予定者がそれぞれ独自に作成するのではなく、協力して作成して意思を一致させることが重要となるでしょう。
中長期の経営計画に事業承継の時期、具体的な対策を盛り込んだものが「経営承継計画表」となります。
経営承継計画としては次の2つの内容があります(TKC全国会)
経営承継の当事者(現経営者、後継予定者)や承継のタイミング、経営理念、数値目標など文章で記載し、方針を明らかにします。
経営承継基本方針書は、「何を」「いつ」「どのように」実施していくのか時系列で表したものです。
項目としては、大きく会社に関すること、現経営者に関すること、後継予定者に関することの3つになります。
このように時系列で表す理由は、計画をスケジュール化し期限を決めることで優先順位が明らかになり、戦略的な思考が可能となります。
忙しい経営や実務のなかで後回しになりがちな計画において、確実に実行することが大切となります。
作成して終わりではない経営承継計画、しっかり活用しましょう。
経営承継ができあがったら、次はこの計画書をどのようにいかすかが問題となります。
計画をいかすということは、検討し、選択したアクションプランを実際に実行に移すということです。
計画ができあがったらなるべく早めに取り掛かりましょう。
自社内で計画実行に踏み出せない場合には税理士等の外部の専門家やコンサルタントに、実行支援を依頼しましょう。
利害関係者の理解、周知
後継者教育
株式、財産の承継
利害関係者の理解、周知
後継者教育
株式、財産の承継
計画を実行するうえで重要となることは次の3点です。
成果や効果をモニタリングし、進捗を確認するのは、毎期の決算や業績検討の場などが最適となります。
このことで定期的な見直しが可能となり、計画の循環サイクルが構築できます。
このようなモニタリングや、進捗確認には是非、弁護士、税理士や会計事務所等の専門家を活用することをお勧めします
現経営者が引退し、承継を済ませた後のライフプランについて検討する必要があります。
その際には、引退後に充実した生活が過ごせるよう必要な資金や、病気などのトラブルへの備えなどを考えてライフプランを作成せることが大事です。
資金面以外でも、創業者や前経営者としての功績を大切にし、名誉職の形などで会社との接点を設けることなどの配慮も必要かもしれません。